神学論争 theological argument 2004 3 22
個人投資家で、株式投資の経験が少ない人は、
こんな疑問を持つでしょう。
業績や投資指標をよく調べて、A社の株を買ったのに、
なぜか、A社よりも、実績の少ないB社の株が上がるのは、なぜか。
それは、こういうことです。
たとえば、新入社員に、美人の女性がいたとします。
多くの人から、その美人の新入社員(Aさん)に注目が集まるでしょう。
しかし、翌年も、女性の新入社員(Bさん)が入ってきたとします。
今度は、Bさんに注目が集まるでしょう。
客観的に見れば、Bさんよりも、Aさんの方が美人でしょう。
しかし、人間の行動とは、そういうものです。
このように、合理的に行動すると言われる投資家でも、
こういう行動となるのですから、
一般の消費者は、もっと、合理的でないでしょう。
経済学において、人間の行動や、人間の心理を考慮しないと、
経済学が、「神学の世界」となってしまうのです。
神学となってしまった経済学を建て直すべきでしょう。
本来、社会を分析し、社会を幸福にするのが、経済学です。
いつまでも、神学論争している場合ではないのです。